LED関連用語


LEDの種類・分類

LEDは「Light Emitting Diode(発光ダイオード)」の略で、電流を流すと光を発する半導体素子です。
発光する波長によって可視LED・赤外LED・紫外LEDに分類されます。

LEDの波長帯と分類

紫外(UV)[~400 nm] 可視光[400〜700 nm] 赤外(IR)[700 nm~] 人間が見える波長 400 nm 700 nm

💡 LED(発光ダイオード)
Light Emitting Diode
光を発する半導体・ダイオード素子。
電流を順方向に流すと、PN接合部(アクティブ層)で電子と正孔が結合して発光するのが基本原理。

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紫外LED(Ultraviolet LED)
400nm未満の波長の光を発するLED。殺菌・滅菌(UV-C)、硬化(UV硬化樹脂)、蛍光検査、偽札検知などに使用される。

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可視光LED
400〜780nmの波長の光を発するLED。
人間の目で色として認識できる光域。赤・橙・黄・緑・青・白など多様な色が揃っている。

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赤外LED(Infrared LED)
780nmを超える波長の光を発するLED。人の目には見えない不可視光。
リモコン信号、センサー照明、顔認証、LiDAR、防犯カメラなどに広く利用される。

🔍 受光デバイス
Photodetector / Light-Receiving Device
光を受けることで光電流が流れるデバイス。フォトダイオード、フォトトランジスタなどがある。
LEDと組み合わせてセンサーや通信システムを構成する。フォトカプラの出力側にも使用される。


LEDパッケージの種類と特徴

色の組み合わせによってさまざまな色の表現が可能です。LEDの発光色はCIE色度図のxy座標で管理され、白色LEDの色温度ばらつきの管理などにも使われます。

砲弾型(LAMP)LED

挿入実装(スルーホール)用。リードフレームにLED素子を搭載し、砲弾型に樹脂封止。レンズ一体型でシンプルな構造。パネルランプやインジケーターに最適。

表面実装(SMD)LED

基板やリードフレームにLED素子を載せて樹脂封止する表面実装タイプ。基板タイプ・PLCCタイプがある。自動実装に対応し、小型化・薄型化が可能。

7セグLED

7本のセグメント(発光部)を組み合わせることで0〜9の数字や一部のアルファベットを表示できるLED。計測器・時計・デジタル表示パネルなどに使用。


光学特性に関する用語

LEDのデータシートには多くの光学特性が記載されています。それぞれの意味を理解することで、用途に合った製品選定が可能になります。

スペクトル分布と主要用語の関係

波長 (nm) 強度 ピーク波長 50% スペクトル半値幅 ピーク強度(光度)

用語 意味・解説
光度 光軸上の単位立体角あたりの光量(単位:mcd)。「明るさ」の指標として最もよく使われる。赤外LEDでは「放射強度(mW/sr)」として表記される。
光束 全方向への総光量(単位:lm)。空間全体にどれだけの光を出しているかを表す。照明用途で重要。赤外LEDでは「放射束(mW)」として表記される。
ドミナント波長 人間の目で感じる色の波長を数値化したもの(単位:nm)。ピーク波長とは異なり、人間の視覚感度を加味した「見た目の色」を表す指標。
ピーク波長 発光スペクトル分布において光出力が最大となる波長(単位:nm)。光学フィルターの設計などに使用される物理的な指標。
スペクトル半値幅 ピーク波長に対し相対強度が50%以上となる波長の範囲(単位:nm)。値が小さいほど単色性が高い。VCSELなどのレーザーは半値幅が非常に狭い。
色度座標 LED発光色の刺激値をCIE xy座標系で表したもの。白色LEDの色温度管理や色調のばらつき管理に使用される。
指向特性 中心軸を原点とした空間各方向への光の放射分布特性。どの角度にどれだけ光が出るかを示す。光源の「広がり方」を表す。
指向半値角 中心軸の光強度に対し相対50%となる方向の内角(単位:°)。値が小さいほど指向性が高く(スポット照射)、大きいほど広範囲を照らす。

ランク・配光に関する用語

LEDは製造ばらつきがあるため、光度や色調によってランク分けして出荷されます。用途に合ったランクを指定することが重要です。

📊 光度ランク
Luminous Intensity Rank
光度値(明るさ)によるランク選別。同じ型番でも製造ロットごとにばらつきがあるため、光度の範囲ごとにランク分けされる。複数素子を組み合わせる際はランク統一が重要。

🎨 色調ランク
Color Rank / Bin
ドミナント波長による選別ランク。発光色により設定が異なる。白色LEDでは色温度と色度座標でのビン(Bin)分けが一般的。ディスプレイ・照明器具では色のばらつきを抑えるためにランク指定が重要。


電気特性に関する用語

LEDを安全・適切に駆動するために必要な電気特性の用語です。定格を超えた使用は素子の劣化・破損の原因になります。

用語 意味・解説
順電圧(VF) 順方向電流を流した時のアノード・カソード間の電圧降下値(単位:V)。LEDに必要な「駆動電圧」。電流制限抵抗の計算に使用する。
スタティック点灯(DC駆動) 直流で連続的に電流を流し点灯させる方式。シンプルで設計が容易。常時点灯のインジケーターやバックライトに適する。
ダイナミック点灯(パルス駆動) 周期的に電流を流す時分割駆動方式。複数のLEDを順番に点灯させることで、使用ピン数を減らせる。7セグや大型LEDディスプレイに多用される。
デューティー比 1周期に対しLEDがONしている時間の割合(単位:%)。デューティー比50%なら、半分の時間だけ点灯している状態。低デューティーではピーク電流を大きくできる。
逆電流(IR) 逆バイアス印加時に発生するわずかな電流値(単位:μA)。この値が大きいと逆方向の漏れ電流が多いことを示す。
最大順電流(IF max) 連続的に流すことができる電流の最大値(単位:mA)。この値を超えると素子の劣化・破損を招く。通常は定格の70〜80%以下で使用することを推奨。
最大パルス順電流(Ifp) パルス幅・デューティー比で規定された最大順電流(単位:mA)。パルス駆動では定格を超えた大電流を短時間流せるため、DC駆動より高輝度が得られる。
順電流低減率 規定温度を超えた場合の許容順方向電流の低減率(単位:mA/℃)。高温環境では電流を絞らないと素子を傷める。放熱設計と合わせて考慮が必要。
最大許容損失(Pd) 周囲温度25℃における最大許容消費電力値(単位:mW)。「順電圧 × 順電流」がこの値を超えないよう設計する。

熱・静電気に関する用語

LEDの寿命や信頼性に大きく影響する熱管理と静電気(ESD)対策に関する用語です。

🛡️ 熱抵抗
hermal Resistance
熱の伝わりにくさを表す係数(単位:℃/W)。値が高いほど放熱性が悪く、ジャンクション温度が上昇しやすい。高出力LEDでは放熱設計が特に重要。

🔥 熱伝導率
Thermal Conductivity
物質固有の熱移動の起こりやすさを表す係数(単位:W/m·K)。値が高いほど熱を逃がしやすい素材。放熱基板・サーマルパッドの選定に関係する。

🌡️ ジャンクション温度(Tj)
Junction Temperature
電気エネルギーが光に変換されるPN接合部の温度(単位:℃)。直接測定できないため、周囲温度・熱抵抗・消費電力から算出する。Tjが高いほど寿命が短くなる。

ESD(静電気放電)
Electrostatic Discharge
静電気を持つ物体から電荷が短時間に流れる現象。LEDは静電気に弱く、瞬間的な高電圧で内部が破壊されることがある。取り扱い時は静電気対策(アース・手袋等)が必須。

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